タイ新国王へ海外勢力がしかける新しい戦争

今回はバンコクを拠点に活動するジャーナリスト、トニー・カルタルッチ氏の洞察が光る記事です。

http://landdestroyer.blogspot.com/2016/11/the-wests-war-on-thailands-next-king.html
トニー氏の記事はプミポン王が崩御した時期に書かれたもので
彼もタイの風潮に倣って感情的な王室への美辞麗句が多い。

しかしこれは一般的なタイ人が常日頃プミポン王に抱く気持ちとほとんど遜色ない、
正統な評価と見てよいだろう。
(タイに何年も滞在経験のある私の意見)

その一般的な美辞麗句の合間には「外国からの侵入者」を痛烈に批判する
彼独自の視点がこの記事の価値を上げている。

彼を読めばいかにタイ王室がジョージ・ソロスなど外国勢力が後押しする赤Tシャツ軍団と戦っているかが分かる

またお隣のカンボジアの反王制の救国党も
赤Tシャツ軍団と同じ資金源から供給を受けていることを氏は暴いている。
これって日本が置かれてる状況にも符号する部分がとても多いのです。

マイノリティー支配の仕組みは
日本にもタイ(タイの場合は華僑)にも見出せるのです。
トニー・カルタルッチは日本人がもっと注目すべきジャーナリストであると思います。

New Eastern Outlook、landdestroyer.comで彼の記事が読めます。
それではどうぞ。

トニー・カルタルッチ2016年11月29日‐
最初に西側メディアが犯した決定的なミステイクは、
タイ王国の王制をヨーロッパにおけるそれと、
それから、比べるのも酷いがアラブのそれと比較していることだ。
万人から敬われたプミポン・アドゥンヤデート国王が崩御して、
次期王位継承者マハ・ワチラルンコーン王子への戴冠が行われたのだ。

西側メディアたちはもう一度このミステイクに深く没頭することになる
とは言っても政治的に意図があってのことなのだが、、、

タイ王国、この7000万人の国家は
東南アジアの軍事、政治、経済において重要な位置を占める。
この地域でヨーロッパ勢力の植民地支配を免れた唯一の国である。
タイの歴史的に育まれた王室による統一とリーダーシップがそれを守り切ったのだ。
タイを征服する機会を伺っている国々にとっては、
タイ王室の存在が恐ろしく邪魔だ。

彼らはプロパガンダからテロまで駆使して何十年もかけて、
その邪魔な障壁を取り除くために努力した。
ウェスタン・スタンダードに基づく一方的な内政干渉をするよりは、
タイとの強い連携を望んだ他の国々は、タイの王制の重要性に理解を示した。

この重大な過渡期において重要なことは、
タイ王国と更なる友好関係を築きたい国々と連携することだ。

欧米メディアが繰り返す止めどない「攪乱情報=ディスインフォメーション」を避けなければならない。
彼らはアジア地域の政治リーダーや王室を排除することによって欧米列強による再支配を企てている。

タイ王室

タイの王室は7世紀におよぶ歴史を持ち、
直近の230年間に渡って王位を戴く、公式に憲法に基づいた王室である。
信用度の低い欧米メディアによる
偏向報道や自身の職務を汚してまで侵入してくるロビィストとは反対に、
タイ国民のロイヤルティーに対する尊敬の念はリアルなものだ。
タイ王室とヨーロッパにおけるそれ、との比較が一番分かりやすい。

ヨーロッパのそれは「建国者」であって、
タイの様な「王室」のあり方を機能させてない。
タイ王室は数世紀にわたって国民生活への劇的な改革を進めて、
タイを地域的な競争の急先鋒として推進して来た。

ラーマ5世(1868‐1910)は最終的に奴隷制度を廃止したが、
アメリカに見られるような内戦など起こらなかった。
それはラーマ5世、王その人自らが現代的な秩序改革と技術革新を導いたからだ。

後のプミポン・アドゥンヤデート王が在位した70年間も、
内部分裂を狙った紛争の中においても、国家的調和を育まれてきた。

彼はまた、 社会経済と政治的自己充足のために何十年も働いた。
IMFの捕食者としての性質を目の当たりにした彼は、
外国の機関に経済的に頼り切るのは危険だと気が付く。

彼はオーガニック農業の専門家であり、
農作物の市場価格変動に晒されている農家の経済的多様性と自立に奔走した。

国王が数十年間行ってきた努力とは対照的に、
独占市場と中央集権を目指すグローバリスト達の「国際秩序」は、疑う余地なく
欧米の複数の機関やメディアと共に
タイ王室を転覆する試みを続けて来た。

プミポン国王は去った。
彼の仕事に力を捧げて来た公式、非公式の機関を残して。
そして彼の継承者、マハ・ワチラロンコーン王子の元も去った。
彼は欧米勢力の新しいターゲットになった。

新しいタイ国王

マハ・ワチラロンコーン王子は64歳、
タイの軍隊に戦闘機パイロットとして訓練を受けた。
そして空軍、陸軍両方の国境警備の仕事に従事していた。
彼はまた式典や大学の卒業式への出席などの王室の仕事もこなしていた。

彼の公的な仕事は完璧なものだったが欧米の利益は王室の転覆であるから、
王子への個人攻撃に走った。

欧米勢力の利益に反するリーダーに対して世界中どこでも行われている手口だ。
この様な攻撃はタイ王室の代表としての王子ではなく、
王子個人への個人攻撃であった。

彼の人となりの背後には
経験豊富な顧問達、幅広いジャンルの研究所、
何世紀にも渡って連綿と繋がる文化、
王国の下に統一するタイの人々が存在する。

欧米メディアが没頭している彼個人へのプロパガンダ攻撃は酷い誤算であった。
タイの政治的未来の青写真について合理的に計画してくれた方がまだマシだった。

これまで先代の国王のライフワークに間近に接してきた側近達、国王と
一緒にアメリカ覇権からタイを解放しようとして来た側近達が王子を指導し、
アジアの独立へと向かわせるであろう。

マハ・ワチラロンコーン王子自身、
彼がもうすぐ座る国王というポジションの尊厳を守る必要がある。
これまで彼が行って来た公務での幾ばくかのパフォーマンスついて、
先代の国王がタイ社会で担ってきた役割に彼が相応しいかどうかは、
時間が教えてくれるであろう。
(*訳者KORI注*ワチラロコーン王子は
かつてミュンヘン空港に女性物タンクトップ姿で現れて、
背中一面のタトゥーを露わにするなどタイ王室の伝統からはかけ外れた行動があった)

しかし、彼が比較的、自然体で振舞ったとしても、国民から尊敬されるだろうし、
タイ国民の統一を促すことだろう。

最終的に彼は欧米勢力のロビィストではないと人々から記憶され、
強力なタイ国王の統治を貫くだろう。

欧米のプロバガンディスト達は
「王子は不人気で7世紀に及んだ王室に終止符を打つだろう」と主張している。

しかし、彼らの「予想」は常にロビーキャンペーンであって
信用性はないものと覚えておくべきだ。

現実に基づいた分析によると
それらのメディアと専門家たちは
「2013‐2014の間にタイで内戦が起こる」と言い、
さらに首都機能がバンコクから680キロ北にあるチェンマイに移行するとまで言った。
(*KORI注*チェンマイは欧米勢力の傀儡タクシンの牙城)

バカげた予測は決して実現化されなかった。
欧米勢力はグローバル覇権というポジションから撤退して行っている。
何故なら途上国を仕切っていた者たちの信頼が崩れて、
グローバル権力の中心から失脚しているからだ。

新しさを望む国々が、
もっと公平で安定力のある多極的な世界秩序を模索しているからだ。
それらの勢力は、秩序の不安定化と、
特定の国々の破壊を目指す欧米勢力のストーリーに反対さえしている。

タイ王国は今、センシティブな過渡期にいるが、
誰が今まで尊敬をオファーしてくれて、
誰が非道なやり方でタイを陥れそうとして来たのか、それをずっと覚えているだろう。

これで翻訳は終わり。

 

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