スタンダップコメディーで皮肉な英語を学ぼう。Byジョージ・カーリン

アメリカのコメディアン、ジョージ・カーリン(George karlin)が時代時代において英語の婉曲表現(Euphemism)が如何にして行われてきたかを説明する。

彼によればアメリカという国は問題に囲まれ過ぎたが故に言葉尻だけストレートな英語表現を避けて、現実を覆い隠そうとする習性があるらしい。

例えば第一次大戦中、極度の心理的不安が続いて
「頭がイってしまう兵士」の事をShell Shock(砲弾ショック)と言った。

それが第二次大戦になるとBattle Fatigue(戦闘疲弊)になる。
fatigue(疲弊)はshock(ショック)よりナイスな言葉だ。
さらに1950年代の朝鮮戦争になるとOperational Exhaustion
(作戦的消耗)になってより長くなる。

「まるで車の整備用語みたいだ
(Operationalは操作の、という意味もある)」というジョージ。
そしてベトナム戦争まで来るとPost-Traumatic Stress Disorder
(心的外傷後ストレス障害=PTSD)となる。
「なんてこったハイフンまで付くようになった!」ジョージ。
ここまでくると専門用語=Jargonで固められるようになる。

「もしベトナム戦争当時「Shell shock」という当たりのキツイ用語を用いていたのなら
退役兵の幾人かは然るべき扱いを受けていただろうに!」
ジョージはオチで風刺を効かせた社会批判を忘れない。会場拍手。

ジョージは優しい言葉を使いすぎるのはよくないという。

あれは、いつの日だったか
Toilet paper(便所紙)がBathroom tissueになったおぞましい日があった。
一体誰が認可した?俺は認めてないぞ!激怒するジョージ。

SneakersがRunning Shoesだって?

False teeth(偽歯)がDental appliancesに(歯の器具)?

MedicineがMedicationにもなった!

Dump(ゴミ捨て場)がLandfill

(何かによって埋められる土地という意味合い)になった!
Car crash(車の衝突)→Automobile accident(自動車事故)。

Partly cloudy(部分的曇り)→Partly sunny(部分的晴れ)。

Motel→Motor lodges house。

House trailers(寝台やキッチン付きの車)→Mobile homes。

Used car(中古車)→Previously owned transportation
(以前誰かに所有されていた移動手段(直訳)に。会場爆笑。

Constipation(便秘)は
Occasional irregularity(臨時的不規則)に。会場爆笑。

slum(貧民街)→
Economically disadvantaged occupies substandard housing in the inner cities。
(都市部で経済的に恵まれない者たちが住む標準以下の住宅地)長い。

they’re fxxking broke(やつらはファッキン文無しだ)
→they don’t have a negative cash flow position
(彼らにはネガティブキャッシュフローポジションがない)長い。

you’re fired(お前はクビだ)
→management wanted to curtail redundancies in the human resouces area
(管理部は人材における余剰労働力の切り詰めを望んでいる)めっちゃ長い。

CIAはもう誰も殺さない(kill)。

中立化する(neutralize)。

あるいはdepopulate(人口削減)する。

イスラエルの殺人者はコマンドと呼ばれ、アラブのコマンドはテロリストと呼ばれる。

Contra(CIAにお金を貰って各国政府を打倒する反乱軍)はFreedom fighterと呼ばれる。
おい、でもちょっと待て!
犯罪と戦う人をCrime fighterというだろ。
火事と戦う人はFire fighterだよな。

じゃあFreedom fighterって一体何に対して戦ってるんだ??
この部分について奴らは説明してないぞ!
(*皮肉にも文字通り素直に読んだら自由と戦う人になってしまう!*)

criple(不具者)はperson in need of special assistance
(特別補助が必要な人)になった。
なぜcripleを使わない??直接的で真摯な言葉だ!
どんな羞恥的な意味合いもこの言葉に含まれないぞ。

聖書にも書いてるぞ
「jesus heals the criple(イエスはその不具者を治した)」ってね。

しかしもう不具者はアメリカにはいない。
いるのはphysically challenged(身体的試練を負った)人だけがいる。

stupid(バカ)ももうアメリカにはいない。
いるのはLearning disorder(学習障がい)だけになった。

Old people(老人)はSenior citizen(シニア市民)になった。
しまいには90years oldが90years youngになるだろう。
そしてdie(死)は存在しなくなる。
Past away(逝く、過ぎ去る)するようになった。

『名前の改竄は全部bullshit(クソ)だ!
権力はみんな名前を変えることによって実際の状態をも変わってるとみんなに信じ込ませたいだけなんだ』

日本人には英語版機関車トーマスのナレーターとして有名なジョージカーリンは
2008年6月22日に亡くなった。
彼が子供時代を過ごしたマンハッタンのモーニングサイド地区にある
ウェスト121ストリートは「ジョージ・カーリン・ウェイ」と名前が付いた。

 

 

 

 

 

最後に彼の傑作ジョークをどうぞ。

「EVIANの水に2ドルも払うんだって!?よし、EVIANの綴りを逆に読んでみろ」

*NAIVE=ナイーブは騙され易いという意味。

 

今日は社会風刺の効いた日本にはいないタイプのコメディアン、ジョージ・カーリン(George karlin)を紹介しました。

 

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