必見!ベネズエラ情勢の専門家Ben Norton氏の分かり易いベネズエラ情勢解説を聞いてみよう!

 

YOUTUBEジオポリ解説でジャーナリストBen Nortonさんのベネズエラ情勢解説がかなり分かりやすい内容だったので、重要部分抜粋翻訳します。

彼のTwitterもチェックしてください。

@BenjaminNorton

彼がやってるネット番組もどうぞ。

@Moderate_Rebels (YOUTUBEも同じチャンネル名)

 

~抜粋翻訳スタート~

ベネズエラの外務大臣が言っている様に米国は今回のクーデターの背後にいるのではなくクーデターの先頭に立っていると言う事です。そして米国の同盟であるカナダもです。イケメンのジャスティン・トゥルードーは涙もろくてリベラルに人気ですが平気で先住民の土地に石油パイプラインを引いたり国営財産を民営化したり、今回のベネズエラの石油泥棒クーデターにも参加していますね。

それから最近彼らが(南米)地域にインストールした極右政権、例えば「チリの独裁者ピノシェットの一番の問題は殺したりなかったことだ」と豪語するブラジルのネオファシスト大統領Jair Bolsonaroも今回アメリカの側です。彼は中国をラテンアメリカから追放して全左翼政権を打倒するとも言っていますね。こういった人達がベネズエラのクーデターを法的に正当化しようとしているんです。ベネズエラの軍隊はベネズエラ政府に対して忠実ですから軍事クーデターではありません。

重要なことは、マドゥーロはハイパーインフレなど経済問題によって人気を失ったわけですが、ベネズエラの反対政党は人気のないマドゥーロよりもさらに人気がないのに政権を取ったということです。石油埋蔵量世界一を誇るベネズエラの国営石油企業を含む国営企業の大々的な民営化を掲げている反対政党の背後に誰がいるかは明白です。彼らが「トランジション・プラン」と呼ぶ政策の裏には新自由主義のキャピタリスト達がいます。彼ら反対政党は「財産権と自由経営企業をベースとした自由市場経済」を掲げています。民主主義など関係ないのです。要は世界一大きい石油埋蔵を誇るベネズエラの国営石油企業の民営化と、その他の、過去20年におけるボリバリアン革命によって国営化された企業の民営化が目的なのです。

また今回が初めてのクーデターではありません。2002年4月ウゴ・チャベス大統領が選挙で勝った時、当時のブッシュ政権はウゴ・チェベスを短期的に追い出した軍事クーデターを支持しましたが、チャベスはとても人気があったために当時のベネズエラ人達は通りに出てチェベスの再任を叫んだので、二日後には軍政権はチェベスを大統領に復帰させました。その時のクーデターの背後にもCIAが関与していました。 そして何十年にも渡ってCIA主導のクーデターはラテンアメリカを不安定にしました。

例えばフィデル・カストロは葉巻に爆弾を仕込まれたり、ダイビングスーツに毒を仕込まれたり600回以上CIAから暗殺未遂を受けています。キューバの場合はベネズエラのように天然資源というだけでなくフロリダからボートに乗って行けるほど近い、という理由ですが。キューバは1959年にアメリカが支援する独裁政権(バティスタ)を転覆させ、問題はあるとは言え未だに社会福祉と教育はラテンアメリカでは最高水準です。

冷戦時代のベネズエラは最初は軍事政権による独裁、続いて表向きは民主主義だが白人オリガルヒによる腐敗した政権を経て、1998年以後は「社会主義の独裁者」としてレッテルを貼られたウゴ・チャベスが何回にも渡って民主主義選挙に当選します。彼は莫大な石油埋蔵を貧しいベネズエラ人、労働階級、黒人層の為に使いました。過去20年チャベスとマドゥーロが「ボリバリアン革命」と呼ぶ体制の中で彼らは大幅に貧困層を減らすことに成功し、教育と社会保障を拡大します。そしてエクソンモービルなどの米系石油会社を追い出すのです。

このベネズエラの動きは「第三世界」と呼ばれた国々を勇気づけ、所謂BRICS体制(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の構築に影響を与えました。彼らは世界銀行、IMFから独立した独自の金融機関を構築し、「ワシントン主導の新自由主義的コンセンサス」の枠組みの外で発展出来るようになったのです。ウゴ・チャベスは国連総会でジョージ・ブッシュをサタン=悪魔と呼び、これらBRICS体制の構築に大きな役割を果たしたのです。 だから今また米国がベネズエラを打倒しようとしているのです。それはただ単にベネズエラがエクソンモービルを国外に追い出しただけではなく、ベネズエラが石油取引に米ドルを使うのを止め、ペトロダラー=石油ドル体制を脅かしているからです。一方サウジアラビアの石油取引の全ては米ドルで行われ、事実上米ドルがグローバル通貨である事をお膳立てしてているのです。

最近になって米国はもっともっとベネズエラに対して経済制裁をするようになりました。特にオバマは愚かなまでに「ベネズエラは米国の安全保障にとって脅威だ」と全く根拠のない非難をしていました。そしてトランプ政権になってもネオコンの安全保障アドバイザーのジョン・ボルトンはベネズエラを「専制君主制のトロイカ(共和制ローマ末期、カエサル・ポンペイウス・クラッススの3人による寡頭政治をキューバ、ニカラグア、ベネズエラとなぞらえて)」と呼びつけました。

ベネズエラは実は政府がコントロールしているのは天然資源と土地で、未だに経済の3分の2は民営企業の裕福な資本家=オリガルヒたちによってコントロールされており、ミックス経済なのです。トランプ政権の経済制裁下において、マドゥーロは「OKそっちがその気ならもう貿易取引に米ドルは使わない、ユーロも考慮して、米国が一番恐れる中国元も使おうかな」ということで最近、ベネズエラは中国元建てで石油の販売を試みていたところだったんです。それはまさにペトロダラー体制の覇権に直接的に挑戦することを意味していました。

後半へつづく↓↓↓↓↓↓

必見!ベネズエラの現状を知りたくば読んでください。Ben Norton後編。

 

 

 

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