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ベネズエラ人はベネズエラ情勢をどう見ている?周囲の反応と私のベネズエラ情勢の見方。

ベネズエラ革命(40ヵ国からそう言われている。ロシアサイドは否定)の発端は1月末に何十万人ものベネズエラ人がカラカス市を占拠した後に、トランプ大統領が「臨時大統領にフアン・ガイド氏(35歳)を認める」と声明を出した事でした。
南米在住の私の周りにはベネズエラ人移民の友人も多く、自身に降りかかっている火の粉なので
みんな政治の話に熱心です。まずベネズエラ情勢を、ベネズエラ人自身がどう見ているかというと、
主に2タイプに分かれます。

タイプ①チャベスもマドゥーロも売国悪人だ。国民がハイパーインフレに苦しんでるのに外国の銀行に蓄財していた。
臨時大統領フアン・ガイドは救世主だ。彼のバックにアメリカはいない。民衆革命だ。
タイプ②チャベスもマドゥーロもベネズエラの国有財産石油を守ろうとしていた愛国者だったが完璧ではないので、
腐敗も多かった。フアン・ガイドのバックにアメリカなどの海外勢力がいないことを望む。

③私KORIの意見。アメリカなど40ヵ国が承認しているフアン・ガイド臨時大統領はワシントンDCやシティ・オブ・ロンドンのペトロダラー体制の傀儡と言うしかない。彼の背後に誰がいるのか一番分かりやすい事例は
彼がすでに「PDVSA=ベネズエラの国営石油外社」の民営化を約束しているからだ。
この「国有石油企業の民営化発言」は多くのベネズエラ移民がいるコロンビアやエクアドルにいるベネズエラ人の
耳には全く入っておらず、ビックリされる。それもそのはずエクアドルは2000年以降インフレの対処で
米ドルを国内通貨として採用しており、金準備の75%はアメリカの連邦準備銀行に人質に取られている。
コロンビアも伝統的にCIAコカインビジネスでアメリカのシャドーガバメントと共闘していたビジネスパートナーだ。

ペトロダラー=旧支配体制=シャドーガバメントはベネズエラのエリート層と足並みを
合わせて虎視眈々とベネズエラの石油、ゴールド天然資源の収奪を目指していた。
チャベスと、特にマドゥーロがベネズエラ人に不人気なのは彼らの手腕が悪いというよりも、
上記の石油銀行軍産国際勢力による経済制裁や海外資産の凍結と同時に、
ベネズエラ国内のエリート層を通じて革命勢力の支援があったからだ。
警察による民衆への過度の暴力的弾圧や、報道されている拷問処刑なども、
シリアにおけるサリン事件をシリア政府側に押し付けるような偽旗作戦同様のものかも知れない、
とさえ私は疑っている。

2008年にチャベス大統領がベネズエラフリーメーソンのグランマスターFrancisco Pereiro Lizを暗殺したと言われていて、今回同じくベネズエラフリーメーソンのフアン・ガイド氏が臨時大統領に指名されたということで、対立構造としては分かりやすい。

戦争屋勢力はこれまで中南米で幾度となくやって来たように、ベネズエラに兵器を送ってベネズエラ政府転覆を公然と開始している。2月3日のベネズエラのバレンシアの空港でマイアミから到着した貨物から19丁のハイパワーライフル、弾倉、無線機、IPHONEなどが発見された。それは彼らがウクライナで、リビアでやって来たことの延長に過ぎない。

ロシアはベネズエラ国内の革命勢力の動向は百も承知で、革命前月の12月には12発の戦術核搭載可能な2機のTU-160戦闘機をベネズエラ国内に配備してホワイトハウス内の戦争屋マイク・ペンス副大統領の「軍事介入を考慮に入れるべき」という戦争屋発言に表れる危険な姿勢を牽制していた。

石油埋蔵量世界一のベネズエラがなぜブルネイやカタールのように裕福にならない?それは「ターゲット」にされたからだ。

WikiLeaksは2008年12月に「FM3-05.130 Army Special Operations Forces Unconventional Warfare」というタイトルの248ページからなる文書を公開しているが、その内容は「ターゲット国に対して金融アシスタンスをしている国内外の金融機関に一方的、または間接的な影響力を行使することによって敵対国、同盟国の性質を変容させる・・・」とあるように、まさにターゲット国に対するクーデター誘発マニュアルだ。

そしてそのマニュアルは現に実行されている。マドゥーロ大統領が12憶ドル相当のゴールドを引き出そうしたが、ワシントンのポンぺオやボルトンなどタカ派と足並みを合わせるイングランド銀行はそれを拒否し、口座をブロックした。これはベネズエラ政府が持つ海外資産80憶ドルの内の12憶ドルなのでかなりの痛手だ。経済的に追い詰められてゆくベネズエラでは当然国民の不満が高まる。経済制裁のお陰で最低月額賃金は350ドル相当から7ドルになった。国民の10分の1以上の500万人が周辺国に出て、残りの国民は海外で出稼ぎする家族からの送金が不可欠になっている。2018年は現地通貨ボリバールのインフレ率170万%とという試算もある。

Ricardo Hausmannというフアン・ガイド臨時大統領と
話し、長年マドゥーロ政権を批判し続けているハーヴァードエコノミクスの教授は
「ビジネスの最初のルールは、マドゥーロ政府がその国の国際資産を清算するのを阻止し、
それらを盗むことです。」とベネズエラの国有資産を堂々と盗む(Steal Them)と言うことを憚らない。
(ブルームバーグ1月25日)

 

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