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革命的な貨幣制度を主張しているが故に大学教授職を失った山口薫先生の非常に重要な話を纏めました。こちらの動画の情報を知っているのと知らないのでは世界の捉え方が根本的に変わってしまいます。
動画は6月16日に淡路島であった公共貨幣フォーラムで、数理経済学者の山口薫氏は日本の貨幣制度の歴史は2つの時代に分けられることを指摘しました。
一つは「国生みの時代=公共貨幣の時代」、もう一つは「国盗りの時代=債務貨幣の時代」である、と。
大宝律令を定め、日本初の公共貨幣「富本銭(ふほんせん)」(683年)と「和同開珎(わどうかいちん)」(703年)が誕生した。
日本の公共貨幣の歴史は富本銭、和同開珎から始まって、明治元年からの13年間使われた太政官札まで1200年近く国生みの時代=公共貨幣の時代は続いたのです。
しかし、明治になるとこの「国生み」の時代が終わり、
・1872年に国立銀行条例によって民間銀行に貨幣発行権が付与される。以降3年間で153の銀行が出来る。・1873年の「金札(太政官札)交換公債証書条例」によって太政官札を銀行が引き取って政府に持ってきたら政府は銀行に借用証書を渡して、銀行はその借用証書を元に銀行券を発行してもよい、という事になる。発行権が公から民に移った。・1882年に日本銀行条例が制定され、中央銀行以外の民間銀行が貨幣を発行することを禁止する。薩摩藩の松方正義が銀行券発行を独占。
この銀行券というのが、そう、今日でも使われている日本円です。
つまり、明治以降、通貨発行権が公から民に移動したのです!
正に民が国を盗った。
アメリカで連邦準備制度=民間の中央銀行が設置されたのが1913年ですからそれよりも40年も前です。
公共貨幣と債務貨幣、どう違うのでしょうか?
まずは公共貨幣と債務貨幣と説明します。
公共貨幣(Public Money)とは
・利子がつかない。発行者に一回限り発行益がある(例えば500円玉の製造費は43円なので、発行益は457円となる。この457円が自動的に政府の利益になる)
・歴史が長い。富本銭、和同開珎から太政官札まで1200年近くあった。
・現在、公共貨幣の実態については学校では学べなくなっている。封印されている。
債務貨幣(Debt Money=借金)は2種類あります。
債務貨幣タイプ①
・民間銀行が発行する銀行券(Private Bank Note)※世界中のほぼ全ての中央銀行は民間銀行です。日本銀行はJASDAQ上場企業です※
・債権者(民間中央銀行)に対する利息が永遠に発生する。
・中央銀行が作って政府に対して貸している。
・利子付き債務貨幣=政府が日銀からお金を借りる時、利息を日銀に払っている。
・ヨーロッパでここ200~300年で突如として出て来た。
・学校や経済学で学ぶお金は全て債務貨幣。しかし中央銀行が政府銀行かのように偽装し、実際の所有者が誰であるのか教えません。
・支配の道具になる。
債務貨幣タイプ②
・銀行預金上で存在するお金、信用創造という錬金術によって生まれる心理学上のお金。現金ではない。日本の貨幣流通の85%を占める。
・市中銀行は中央銀行の銀行券をベースにして無から預金を作って人々にローンとして貸し付ける。
(例えばAさんが100円銀行に預ける。銀行はAさんの100円をもっている状態。そこにAさんから借金をしているBさんが200円を貸してくれと銀行に頼む。銀行は実際には100円しかないがBさんの預金通帳に200円と書いてあげる。BさんはAさんの口座に借金200円を振り込む。実際には銀行は100円しかないがAさんの預金通帳上には300円と書いてあげる。Bさんには200円銀行に対する債務=銀行の債権が生まれる。このシステムはAさんが銀行から100円以上現金を引き出さない限り成り立つ。銀行は預金通帳上だけに存在するお金を作ることが出来る。これを信用創造と呼び、日本に出回ってるお金の85%を占める。弱点は全預金者が同時に現金を引き出すこと。銀行にお金がないのがばれて、預金者の負債だけが残る。これを取り付け騒ぎと言う。)
タイプ①は中央銀行による通貨発行権と政府への有利子貸し付け。
タイプ②は市中銀行による信用創造。ビザカード、マスターカードなどのクレジットカード会社もタイプ②です。
①と②をまとめて債務貨幣といいます。
日本に出回っている政府系と金融機関を除くお金の総量をマネーストックと言いますが、
2017年10月時点のマネーストックが721.5兆円ある中で、
公共貨幣は4.7兆円、全体のわずか0.65%。
日本円=日本銀行券は101.5兆円で14%。
要求払預金(信用創造されたお金)がなんと615.3兆円で85.3%も占めます!
世に出回っているお金の99.3%が債務貨幣=中央銀行に対する債務なのです。
債務貨幣の正体
債務貨幣は政府や企業が借りて初めて生まれる。
誰かが借金しないとお金が増えない仕組み。85%が信用創造によって生まれた心理学上のお金。
常にバブル形成とバブル崩壊を繰り返します。
各国の民間中央銀行による債務貨幣発行権の歴史
・イギリスのイングランド銀行は1844年にピール条約により、それまでは色んな民間銀行が貨幣発行をしていたが、イングランド銀行のみが貨幣発行権を握ることになる。
・フランス銀行も1848年に独占的貨幣発行権を得る。この時、日本の松方正義がフランスに出向き、フランスのシステムを習う。
・1883年、日本銀行が貨幣発行の独占権を取得。
・1913年、アメリカの連邦準備銀行が貨幣発行を独占。
イングランド銀行もフランス銀行も日本銀行もプライベートな民間銀行ということがポイントです。
こうして見ると世界の銀行家の力が急激に強くなったのは19世紀です。
イングランド銀行の前のパネルには「1694年にプライベート銀行として設立された」と書いてある。
公共貨幣復活を主張している山口薫氏。
中央銀行を国立の銀行にして公共貨幣を復活させればどのように世の中は変わるのだろうか?
・経済成長をまかなう全てのお金を発行できる。
・信用創造が無くなる。信用創造は不況の元凶。
後半へつづく:リンカーン、ケネディー、坂本龍馬も?!歴史上、公共貨幣を復活させようとする者が暗殺されてきた
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