中国広州に黒人として生きて行く事とは?

実は仕事も含めて8日間、香港から深センに行ってました。

今はそれも終わって中国最大のイベント旧正月真っ只中の広州に来ています。

日本では旧正月と呼ばれてますけど中国では春節と呼びます。月が地球の周りを一周する29.5日を一月だとして×12ヶ月=1年354日で計算する太陰暦でいうところの元旦、NEW YEARが春節なのです。

しかし、これだと現在世界標準の太陽暦の1年は365日なので太陽暦に対して毎年11日くらいズレて行ってしまうので放置してどんどんズレて行くと真夏のNEW YEARなんてことになります。

そこで3年に一回1年を13ヶ月とする閏年を作って太陽暦とズレた分に追いつこうとするのです。(太陰太陽暦)

だから春節は毎年、太陽暦の1月後半~2月中頃を移動します。中国では毎年政府が発表。今年は1月28日でした。

絵の叩き売りやってる!(濱江西路)

今年は鶏(酉)年なんですね。

ぎゅーぎゅー詰めです!
出店で売ってるのは飾り物のお花や縁起物のお札、風車などばかりで観光客の僕が買うものなんかありません!(西湖路、花街)

さて今回は広州におけるアフリカ系移民について書きます。

と言うのも黒人のハーフの子供が中国人のお母さんに連れられてるのを見て、何年か前にニュースで広州のナイジェリア人コミュニティが形成されてる、てのを見たのを思い出したからです。

それから、これまで僕が累計1年以上
西アフリカ、東アフリカ中心に旅して来た中で出会ったビジネスマンはよく広州から戻って来たんだ、と言っていたものですから広州のアフリカ人コミュニティは非常に興味深かったのです。

アフリカ系ハーフの子供と中国人お母さん。(西湖路)

北京、上海に次いで中国第3都市である広州の人口1300万人のうち、1-2%がアフリカ系移民であるとされてます。

それら多くの人達は30日有効の観光ビザで頻繁に出入国を繰り返しているか、あるいはビザ切れの不法滞在のため、アフリカ移民人口は常に20,000-200,000人の間で推移すると言います。

なんと言う振れ幅!

しかしこれはアジア最大のアフリカ人コミュニティです。

彼らの多くは今やチョコレートシティーと地元民に表される越秀区(yuexiu)と白云区(baiyun)の10キロ平方メートルに居住しています。

特に小北路(xiaobeilu)付近にナイジェリアを中心としたアフリカ人コミュニティ、中国人ムスリム、その他中央アジアや中東から来た人達が集まっており、通りにはハラル認定されたレストランが並び正に文化と人種のるつぼです。
(僕も行って来ました)

【黒人として中国に生きる】

近年、アフロ-チャイナ結婚が増えてるとは言え
アフリカ人夫に永住権が付与されないという問題が発生している。
そもそも中国永住権の取得は一般的に難しいもので
アフリカ人に限ったものではないが、近年の世界経済不況の中で北京の全人代からの特にアフリカ人に対する移民政策は硬化した。
アフリカ人に対する俗に言うビザランの禁止。

さらに期限切れの観光ビザを持って立ち回る者たちにとって最後の起死回生策としての中国人女性との結婚が永住権取得を妨げる1つの要因か、、

中国政府は国内に人口爆発の問題を抱えており、永住権の付与は各分野の高度技術者に限ってか、あるいは国内投資を200万米ドル以上した者に限定されつつある。

アフリカ人のほとんどは永住権取得がほとんど夢物語である事を自覚している。

しかし、だからこそ中国人配偶者の名前で会社登記をさせて輸出入ビジネスをするモデルは非常に重宝される。

ビザ申請に関する法律が厳格化したのは2015年からで、これまではビザ更新は香港かマカオで出来たが、これからはアフリカ本国まで帰って申請しなければいけなくなった。
事実上アフリカ移民の締め出しである。

一方で中国は中国人移民100万人をアフリカに送り出し、西のラゴスから東のモンバサまでチャイナタウンを形成して、ありとあらゆる公共事業を行い、資源を抽出して中国本土に送っている。

かなり手荒い手法だが国内の不満爆発を防ぐためにはどんな手段も厭わない。首尾一貫している。

【中国人女性にとっての結婚、アフリカ人男性にとっての結婚】

香港大学で広州の黒人結婚について研究するLinessa Lin Dan曰く、湖北省や湖南省から来た貧しい田舎の女性達は金持ちのアフリカ人と結婚して今までの工場勤めから生活をアップグレードさせたいと思っている。

そしてアフリカのトレーダーの男性は中国人女性と結婚して外国人には難しい会社の登記をやってほしい、とのこと。

それはある意味、理想的合併なのか?そうシニカルにアフロ-チャイナ結婚を見つめる人もそう少なくはないかもしれない。

中国人のジェニファー・ツァンさんはナイジェリア人のエマン・オコンクウォさんとの結婚式の1週間前まで人種的な偏見を受けることを恐れて交際の事実を両親に伝えることを躊躇していた。

加えて中国政府はバチカンとの国交を結んでいないためにカトリック教会をnon-state sanctioned religeon=政府非公認の宗教に指定しているため、2人は広州にある『地下教会』で『違法な結婚式』を挙げるハメになった。
http://m.scmp.com/magazines/post-magazine/article/1521076/afro-chinese-marriages-boom-guangzhou-will-it-be-til-death

【人種的な偏見と文化の違い】

『どうして雑種の出場者がチャニーズアイドルになれるの?』

2009年、アメリカのオーディション番組、
アメリカンアイドルに模した番組に出演していたLou jing(Go, Oriental Angel!のメンバー)という当時20歳のアフロ-チャイニーズの歌手がブログで呟いた言葉が問題となった。

バリーさん(32)は西アフリカのシオラレオネから広州にMBAの修士を取得しに来たビジネスマンだ。

船のコンテナスペースを他のアフリカ人に貸し出す仕事をしている彼曰く広州は世界のビジネスの中心だそうだ。

しかし彼も文化的バリアの存在は認める。
『これまで多くの中国人と仕事をして来ましたが、誰1人私を彼らの家に招いてくれたことはないです』
http://www.aljazeera.com/indepth/inpictures/2014/09/pictures-chocolate-city-2014911115258446208.html
しかし、中国人が総じて人種差別者であると言う誤解を生む前に、代弁しておく必要がある情報は述べておかなくてはならない。

Frank Dikotterは中国人の人種に対する態度を歴史全般を通して研究した人物である。

彼によると中国社会では西洋に比べて相手がデブであるとか、ガリであるとか不具者である、または黒んぼであるなど身体的特徴を比較的躊躇わずに発言することが西洋に比べて許されている。

これは黒人奴隷貿易を経なかった事も要因だとしている。Frank Dikotterの意見としては中国より西洋の方が人種的差別が根強いとしている。
49 Myths about China: Myth 27: The Chinese are Racist
https://en.m.wikipedia.org/wiki/Frank_Dikotter

ファミリーマートに入るアフリカ系ムスリムの女性(小北路)

ハラル・フードが食べられるムスリムレストラン。小北路から電車の高架を抜けて入ったこの通りは漢民族の方が少ない!

ウィグル系、アフリカ系、中央アジア系などが沢山行き交ってた。

 

僕が声かけた三人組はエチオピア人だった。学生ビザを使って4年間輸出ビジネスをやってたがビザは5年で切れるのでそろそろ祖国に帰らないと行けないらしい。

中国人の彼女は出来たか?と聞くと『彼女らは黒人が嫌いだ』と苦い顔をしたので、
アフロ-チャイナ結婚が増えてるらしいけど、と言うと『中国人と結婚するにはお金が必要だよ』と諦めるように言い放った。

どうやら儲かっていないようでした。

アフリカの移民達は高くつくビザを支払い中国で粘り続けるのか、それともチャイナドリームを諦めて祖国へ帰るのか、その岐路に立たされている移民も多いようです。

今夜はこのエチオピア人達にアフリカ人クラブに連れてってもらいます。もしレポート出来たらまた書きますー!

 

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