アダムとイブも受けた人権侵害perp walk

英語って常に新しい単語と出会うので
マスターするのにどれくらいかかるんだろうか、て思いますね。

最近読むことが多い自分にとって
辞書引くペースが下がる実感を強めるのが
自分にとっての語学成長だと思います。

以下の文は4月17日のCNNから。

英語

「Anger over two black men being perp-walked out of a Philadelphia Starbucks continued to simmer Monday, with protests that briefly shut the location down」

日本語

「スターバックスからperp walkさせられた黒人2人のために怒りは止まらず、
抗議によってその店は一時的に閉店に追い込まれた」

英和にのってなかった単語perp walk。(英英辞典には載ってます)

ウィキペディアによれば「perp walkはアメリカの治安維持当局の習慣で、
容疑者を公共の場へ連れ出し、メディアに撮影の機会を与えること」とあります。

強姦未遂容疑で逮捕されたIMF専務理事ドミニク・ストロスカーンのperp walk。ハメられた説が強い。

 

一種の見せしめですね。

perpとはperpetrator=加害者、犯人の略語です。なのでperp walkを直訳すると犯人を歩かせる、という意味です。

厳密にいえば裁判で判決が出る前は推定無罪なので
suspect walk=容疑者ウォーク、
あるいはdefendant walk=被告ウォークであるべきなので憲法違反を問う声もある。

アメリカでは通常容疑者は手錠をはめられているか、
時には囚人服で歩かせる場合もあります。

この習慣が有名になったのは1980年代ジュリアーニ元NY市長が検事時代に、

「仕手筋のアイヴァン・ボウスキーと、
「ジャンクボンドの王」と呼ばれた投資銀行家マイケル・ミルケンという
ウォール・ストリートの大物2人をインサイダー取引で告発した」ことや

「ニューヨーク5大マフィア、ガンビーノ一家のボスであった
ポール・カステラーノなどファミリーのボスたちを次々と起訴し、有罪に持ち込んだ」
など一連の劇場型逮捕劇からのようだ。

一方で「投資会社のトレーディングルームから手錠をはめられて表門に出ると
大量のマスコミが待ち構えている」ジュリアーニ・ショーには冤罪もつきものだった。

ジュリアーニのエージェントがウィールストリートのTim TaborとRichard Wigtonを逮捕した時、大手投資会社の入り口から手錠をはめられた彼らがメディアの前に曝された。

しかしどういう訳か彼らは起訴されることなく、職だけ失った。
ジュリアーニ曰く「氷山の一角だけを起訴するつもりはない」と含みをもたしていた。

その後、2008年になってそのRichard Wigtonが亡くなってNYタイムスが訃報を載せた。

そこには「彼はキッダー・ピーボディ社でキャリアを全うして、とてもエンジョイした」とだけ書かれており、逮捕して解雇された話は無きものにされていた。

これはただの冤罪事件ではなく何かの大きな力が動いた形跡か?
Richard Wigtonで検索してもperp walk写真が出てこない?

それが原因かはわからないが、因果なもので、
娘のカロライン・ジュリアーニが100ドル相当の化粧品を万引きした時には「perp walk」させられたことを当てつけの様に書かれた。笑

【聖書にも登場するperp walk】

この絵はミケランジェロの作品「堕落と追放」だ。アダムとイブがエデンの園からの追放されるシーンである。

こちらはギュスターヴ・ドレ画「楽園から追われるアダムとイブ」

さしずめ剣を振るう天使が刑事、絶望の淵に落ち行くアダムとイブが立派な投資会社のゲートから出てくるインサイダー容疑者だろうか、、

ここにジュリアーニ・perp walkショーと同じ要素が見える。

天使の方がジュリアーニより遥かに優しいかもしれないが、、

 

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